ワクチン・各種予防
これからの健康のために、適切な「予防」が大切です。
わんちゃん・ねこちゃんの健康を守る上で大切なのが、虫や病気から体を守るための予防接種です。
わんちゃん・ねこちゃんが適切な予防接種を受けることは個々の感染症だけでなく、人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)予防という観点からも大切な取り組みです。
特に狂犬病は法律でワクチン接種が義務付けられておりますので、きちんと接種するようにしましょう。
ワクチンの副反応について
人も動物も、ワクチン接種にはごくまれに副反応が出ることがあります。
ワクチン接種後の主な副反応は、下記の通りです。
副反応の発生時期と種類
接種後30分以内 | (例)アナフィラキシーショック(痙攣・呼吸困難・体温低下など) |
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接種後24時間以内 | (例)お顔の浮腫・食欲不振・嘔吐・下痢・発熱など |
接種後1週間以内 | (例)接種部分にしこりがある |
接種後3ヶ月以上 | (例)注射部位肉腫(ねこちゃんのみ) |
ワクチン接種後は、安静に過ごし体調の変化がないかよく観察してください。
副反応が見られた場合
ワクチンの接種による副反応が出てしまった場合、まずは当院までご連絡ください。
当院で接種したワクチンにより発生した副反応に関しては、治療費用はかかりません。
狂犬病予防接種
狂犬病とは
「狂犬病」とは、わんちゃんをはじめ、全ての哺乳類に感染リスクのある伝染病です。
発症すると命を失う、と言われるほど恐ろしい病気で、現在治療法はありません。
日本では法律上、生後90日以上のわんちゃんには狂犬病の予防接種が義務付けられています。
近年、日本国内での発症は確認されていませんが、近隣国では狂犬病が蔓延しており、いつ日本に入ってくるかわかりません。
この恐ろしい病気から大切なわんちゃんを守る方法が狂犬病予防接種です。
接種について
狂犬病の予防接種は、公園や公民館などで「集団接種」が行われています。
もちろん、当院をはじめとする動物病院ではいつでも受けられます。
接種時期について
狂犬病の予防接種は、生後91日を経過した日から毎年受けることが義務付けられています。
年に一度、4月1日から6月30日までに接種を受けましょう。
混合ワクチン接種
混合ワクチンとは?
混合ワクチンとは、わんちゃん同士・ねこちゃん同士でうつる伝染病のうち、複数の病気を1回の注射で予防ができるワクチンのことです。
ワクチン接種をすることにより免疫力を高め病原体から身体を守る、もし感染しても重症化させないようにします。
わんちゃんの混合ワクチンの種類
- 犬ジステンパーウイルス感染症
- 犬伝染性肝炎
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザウイルス感染症
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬コロナウイルス感染症
- レプトスピラ感染症
ねこちゃんの混合ワクチンの種類
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス感染症
接種時期
生後2~3ヶ月目に初回の予防接種を行い、一定の期間を開けて2~3回目を行います。
フィラリア予防
フィラリア症とは?
フィラリア症とは、蚊を介してフィラリアという寄生虫が心臓や血管に寄生し、血液の循環に障害を及ぼす病気です。
主にわんちゃんの感染が多く報告されていますが、近年ではねこちゃんのフィラリア感染症も報告されており注意が必要です。
フィラリア症の症状
フィラリア症の症状
- 呼吸が苦しそう(呼吸困難)
- 食欲がない
- 元気がない
- 咳が出る
- 尿が赤くなる
- お腹が膨らんできた
フィラリアの予防法と時期
たくら動物病院では、「食べる」「垂らす」「注射」の3種類の予防薬を使います。
生後2~3ヶ月以降は毎年予防に取り組んでいきましょう。
蚊が発生する4月〜12月の8ヶ月は確実に投薬を行う必要があります。
また、近年フィラリア予防薬の1年中投与が各所から推奨されてきており、当院でも年中投与をお勧めしております。
ノミ・マダニ予防
ノミとは?
ノミは一年中見られ、わんちゃんねこちゃんに限らず人にも寄生し吸血します。
ノミに咬まれることで、ノミアレルギー皮膚炎を起こす可能性があります。
ノミは、過ごしやすい温度・湿度であれば、二週間程度で卵から成長し爆発的に繁殖するので、定期的な予防が必要です。
ダニとは?
ダニは人や動物の皮膚にくっついて血を吸う時に、伝染病を移します。
わんちゃんには、バベシア症という貧血を引き起こし、場合によっては命に関わる可能性があります。
また、近年では人にも影響を及ぼすことが報告されています。
ノミ・ダニの予防法と時期
たくら動物病院では、「食べる」「垂らす」の2種類の予防薬を使います。
生後2~3ヶ月以降は毎年予防に取り組んでいきましょう。
1ヶ月効果が持続する薬、3ヶ月効果が持続する薬があります。継続的に取り組むことをお勧めいたします。